2007年9月26日
波動展望の商品先物講座 目次
相場の心得 貴方は投機すべきか?
そもそも、相場とは何ぞや?
何のために相場をするか?
相場とギャンブルは違うのか?
インフレ時代のマネーゲーム
インフレ到来なのに、なぜ、商品先物相場をやらないのか?
先物市場は合理的なマーケット
先物市場は合理的なマーケット②
株と商品はどう違う?
株と商品先物の大きな違いは
株には期限が無いが、商品には期限がある
2007年8月31日
株には期限が無いが、商品には期限がある
株というのは、たとえば、NTT株がこの先上がる、倍になるかもしれないといって買うわけですが、あなたの予想が外れて下がってしまったら、どうしますか?
それはしょうがない、ということでいわゆる「塩漬け」にして、いつの日か、再び値上がりするときがくるのを、首を永くして待っていることになります。
あきらめが悪い人には向いています。今は箪笥に株ということも無くなりつつありますが、昔は、箪笥に株をしまって、いつの日かと塩漬けしているうちに死んでしまって、遺産相続の羽目に陥るということも多々あったようです。
ところが、商品先物には期限があります。最近は、NHKのニュースでも「NY原油先物市場の期近物が70ドルを超えた」とか「東京の金先物市場では先限価格がいくらになった」とか伝えられていますが、先物市場関係者以外は「先限とか、期近って何?」という程度の知識でしょう。
商品先物というのは、たとえば金の場合、下図のような相場表になっています。限月(げんげつ)というのが、納会する月を示しています。08/08というのは2008年8月限(8がつきりと読む)を示し、これは2008年の8月に納会日=最終立会い日が到来する商品ですということを意味しています。
2007年8月29日
株と商品先物の大きな違いは
①株は丸代金で取引するが、商品先物は証拠金で取引できる。
②株には期限が無いが、商品には期限がある
③信用取引ではないから日歩は取られない
④株の売買単位はまちまちなのに、商品先物は1枚からできる
①株は丸代金で取引するが、商品先物は証拠金で取引できる。
たとえば、NTT株は取引単位が1株ですが、1株50万円で6株買うとすると、買い付け代金としては300万円が必要。それが3%値上がりしたら300万+9万円で、309万円になってうれしいな、という世界。
これに対して商品先物で、たとえば金1キロを買うとすると、現在の値段がおよそ1キロ250万なのだが、1枚あたりの証拠金は9万円と決まっていて、9万円を担保として差し入れれば、250万円分の取引ができるという仕組み。
グラム2500円の金が、3%値上がりして2575円になったとする。証拠金1枚あたり9万円で30枚=30キロ買ったとすると、投下資金は担保=証拠金270万円で、グラムあたり75円値上がりだからキロ換算で75×1000=75000円儲かって、その30枚分だから75000円×30枚=225万円の儲け。投下資金270万円+225万円=495万円になったと大喜びするわけだ。大事なことは、思惑通りに事が運んだ場合であって、これが逆に3%値下がりしたら大損。270万円-225万円=45万円しか残らない(手数料除く)。
株で3%損しても300万円-9万円=293万円残る(手数料等除く)。
この違い。
だから、ハイレバレッジ。
だからハイリスク・ハイリターン。
このハイリスク・ハイリターンな取引ができるのは、270万円は投機資金で生活資金でもないし、そのくらいはリスク、覚悟がある、負けたら負けたで文句を言わない、でも勝ったらうれしいからチャレンジする、という余裕のある人に限られる。
失った225万円が生活資金で、それがないと困る、という人は不適格。
★証拠金というのは何の意味があるのか?
もともと、その道のプロで、信用のある業者間で、先物取引が始まったとき、毎度毎度、売った買ったするのに、丸代金をすべて用意して、取引の度に丸代金のやり取りをするのが面倒だから、もし、負けてもせいぜいその程度で収まるよ、というレベルの担保を決めて、担保だけのやり取りで取引をスムーズにさせたところから、証拠金制度は始まっているのです。だから、証拠金を差し入れて売買をするということは、その裏には丸代金ベースの資金的裏づけがあるというのが前提なのです。
270万円はあるが、7500万円はないという投資家は、金30キロ分の取引をする資産的裏づけがないのですから、270万しかない場合は、1枚=1キロ分の取引(1キロ250万円としたらちょっと余裕のある程度)で、その証拠金9万円は、もし、負けてもその位はしょうがないということで始めるべきです。
★追証に注意!!!
証拠金というのは、基本的な証拠金のほかに、損が拡大すると取られる追証拠金、納会月になると、もう期限がくるから早く手仕舞いなさいと催促するためにかかる定時増証拠金や、相場変動がおおきくなってリスクが急拡大しているからあなたの資金力は大丈夫ですか、余裕がないなら早く手仕舞いなさいよという意味が込められた臨時増証拠金がある。
全部かかると、なんだ9万円でいいんだろうと思っていたら追証がかかったりとかして、エエェってことにもなりかねない。
もちろん、担保としての270万円がパーになって、さらに足が出ても損金を埋め合わせる覚悟がある人は、1枚といわず、5枚、10枚やってもいいと思いますけれど、よくよく、取引経験をつむか、お金のある人に限ってください。
★証拠金に株が使えるって本当?
証拠金というのは基本的には現金です。しかし、株や債券等の有価証券も使うことが出来ます。これらを称して「充用有価証券」といいます。
例えば株券の場合、一部上場銘柄であれば、時価の70%が充当価格として認められます。株券自体が日々株式相場で値動きしており、上がったり下がったりするわけですから、その分が差し引かれているという考え方です。
波動展望の商品先物講座 目次
株と商品はどう違う?
手っ取り早いのは株とどこがおんなじでどこが違うのか?ということを考えるとよいのではないか。
①お金儲けの手段です
どっちも、お金儲けの手段です。でも、損することもあるリスク取引です。
昔は金利も高かったから銀行預金や郵便貯金も定期なら利子もついてお金儲けができました。利息で食べている資産家もいました。これが一番リスクのないものでしたが、最近は金利も低く、銀行も倒産するしペイオフで守ってくれるのは1千万円だけ。銀行預金もいまではリスクです。
外貨預金。豪ドルなど高金利通貨で預金して利息を狙う投資。でも、為替が暴落したり暴騰したり、これもリスク。
②要するに相場観:
値上がりすると思うから買い、値下がりすると思うから売る。
株は、その企業の株価が値上がりするとか期待して買います。でも、店頭公開や上場した直後に高値をつけてあとは業績悪化や景気低迷で下落、いわゆる塩漬けになって損をしている状況も多々あります。
そして商品先物。これは物の値段があがるか下がるかどうかという相場の世界。買ったものがあがれば儲け、下がれば損をする。その意味では株と同じです。
金利が上昇局面になると、企業の資金調達に響きますから、株価よりも預金へと投資家は走ります。低金利になれば逆に資金調達がしやすくなるので、じゃあ株を買おう、企業も元気がよくなるだろう、景気も刺激されると言うわけです。
③取引所で売買されている
株は東証等等証券取引所、商品先物は東京工業品取引所等商品取引所、要するに取引所で取引されている。世の中にはひとつの株価、商品の値段をめぐって「もっと値上がりするから買いたい」という人もいれば、「もう売りたい」と思っている人もいる。売りたい人と買いたい人をマッチングさせるマーケットプレイスが取引所なわけです。
実は、以外に思われる人もいるかもしれませんが、マーケットには常にあなたと逆のことを考えている人、また立場の違う人が参加しているので、相場が成り立つのです。ここのところは後でも説明しますが、以外と肝心なことです。
④個人は取引所の会員に口座を開く
取引所取引だから、個人は勝手に取引所に行って「売った、買った」できない。株は証券会社、商品先物は商品取引員に口座を開設して、それぞれに売買注文の執行を委託する。投資家は委託者ということになる。
築地市場でも、資格のない一般消費者がいってもセリには参加できません(場外でなら買い物はできます)。取引所での取引も会員資格のある会社を通さなければできません。それは証券会社も商品取引会社も同じ。
ネット証券の場合、顧客はインターネットを経由して直接ネット証券会社にアクセスし、そこから取引所へと注文をスルーパスしてもらいますが、商品先物のネット取引も商品取引会社のサーバから取引所の中継サーバを経由して、ダイレクトに注文をパスしてもらいます。それでどちらの場合も、手数料を取られるわけです。
⑤株でも先物取引は行われている
証券にも先物取引があり、日経平均等が株価指数先物取引として扱われている。 証券=株の場合、その大半が現物株取引ですが、日経平均の先物やTOPIXの先物もあります。これらの証券先物取引は、証拠金が高いために、あまり個人投資家は参加していないようですが、仕組みは一緒です。証拠金という担保を入れて売買されています。
先物市場は合理的なマーケット②
しかし、6ヶ月後にキッチリと現物と代金の受渡をやるのもテマがかかる。
参加者がマーケットにナニを期待しているのか、本音を言えば、生産者は保険としてその価格で売ったことにしておきたいだけであり、途中でもっと相場が上昇しそうなら、一旦、売り約束をキャンセルして(キャンセル料は懸かるかもしれないけれど)もっと高いところで売り直したいわけだ。
買い手というのは、この相場を買ったことにしておけば将来もっと値上がりして儲かるかもしれないと思うから買うのであり、これくらいかなと一旦は買ったものを、もっと大量に買いたいとか、もっと高くでも買いたいとか、常に思うわけだ。
売り方も買い方も、その心中は時々刻々と変るのだから、自由にそれぞれポジションのやり取りが出来るようなマーケットのルールを作りましょう。自由なポジション移動を出来るように、では手付け=担保=証拠金を積んで売ったり買ったり、買ったものを手仕舞いして売りに回ったり、もっと買ったり、自由に出来るようにしましょう。その代わり、最終期限を設けますから、その時にはキッチリ清算してもらいます。現物を用意するか、全額のお金を用意するか、それがいやなら、途中でポジションをチャラにして、負けたり買ったりした値幅分のやり取りだけしましょう。そういうことになった。それが先物取引所。 そのためにはあんまり品質がブレるものは困る。
金なら純度99.99%のもの、小豆だったら北海道産の2等品を基準に中国産の場合は格付けでマイナスして清算できるようにしましょうとか、大豆ならインディアナ・ミシガン・オハイオの3州のものを標準品にしましょうとか、取引しやすいように標準品のルールも出来る。
ダレでもって言うわけにも行かないから、取引所の会員権を持っているものだけが参加できるようにしよう。今では、所轄の役所が監督し、商品取引所法という法律でルールを決め、直接取引所の売買参加できるものもを商品取引員という資格に限定し、一般の投資家は商品取引員を通して(口座を開いて委託して)相場に参加するということになっているわけです。
貨幣経済がこの世に登場してから直ぐに、モノの値段という概念がモノの相場を生み、マーケットを発生させた。 逆かな?最初に物の過剰生産ないしは分業的生産があり、モノの交換=物々交換が始まり、その時点でモノの値段は相対的な評価や力関係で決まっていた。
それをさらに便利にしたものが、貨幣であり、貨幣が国境を越えると、貨幣自体の信憑性や流動性をめぐって為替相場が始まる。これは相当な古代からある。 そこからずうっと飛んで、江戸時代の日本の米相場。流通と相場をより効率化するには、マーケットプレイスが必要になる。米市場の発生。新潟だか富山には、殿様よりもえらい(というか金のある)相場師・米問屋がいたという。
オランダではチューリップ相場のバブルがあって、そのときに商品相場のマーケットができたという。 資本主義経済が発展すると株式会社という概念が出てくる。歴史の教科書で習った東インド会社もそれ。株の流動化が必要になって株式市場が発足。さらに、モノを大量生産して売って儲ける時代から、カジノ資本主義といわれるような、市場経済の中で金儲けするということのほうがなにやらインテリでステータスのあることというイメージさえも流布するようになる。
戦前はまだ、株式市場といっても、なにか、怪しそうな世界だった。しかし、高度経済成長の中、株はドンドンと上がり、1990年に至るバブル時代には株長者が闊歩する。
あっというまに、株式市場はメジャーとなり、証券会社は「就職人気ランキング」でも上位に顔を出すような出世ぶりであったが、この時代は商品先物市場にとっては、長期的なデフレの時代、モノの価格が国際競争の中で下げ続けるような、活況に乏しい時代であった。業界自身も、暗いイメージから中々抜け出せないできた。
しかし、21世紀に入ると、原油価格の上昇をキッカケに、国際商品、一次産品、原材料相場が大上昇を始める。原材料相場が上昇しても、中国が低賃金でモノを作って輸出すれば、小売価格はデフレに止まる。そんな状況が数年続いていたわけだが、そろそろ生産者レベルでは耐え切れなくなり、ガソリン価格をはじめ、消費者物価にも影響が出始めてきている。時代が商品相場を無視できなくなる、もっと積極的にいえば、活用せざるを得なくなる、そんな状況が始まってきた。
先物市場は合理的なマーケット
相対で値決め勝負をする場であるから相場であり、そこで決まる値段だから相場。
モノを作って売る側の人は、売り物の価格が激しく変動する場合に、今日売ればいいのか、1ヵ月後に売ればいいのか、売りたい時にはまだモノの生産が間に合わず、やっと大量に生産したら価格が暴落してしまったらどうしようとか、結構大変だ。
毎日、その場限りで取引が成立している生鮮食品市場はそれでしょうがないが、農産物や工業品、原材料などの相場は、もうすこし計画的な生産や流通でないと、生産者側も眠れないことになってしまう。
そこで、今、決済する相場。さらに1ヶ月後にモノの受渡と代金の支払を約束する相場。6ヶ月後や1年後にモノの受渡と代金の支払をする相場、というような先渡取引が生まれる。
農家にすれば秋の収穫期におよそこのくらいは生産できるから、それをいくらで売ることの約束が出来ていれば安心だし、買い手にすれば将来のモノの手当てが今からできるわけだから便利で安心できる。
これはこれでいいのだが、これだと、本当の関係者しか集まらないから、流動性なり、マーケットとしての規模なりには限界もある。そこで、もっと参加者を集めて、効率よくしようということになってゆく。参加者を増やすためには、そこに資本主義の鉄則である「お金儲け」という概念を確り入れる必要がある。直接の生産者や販売業者ではなくても、そのマーケットに参加できて、相場が思惑通りに動いた場合には「お金儲けが出来る」という理屈で投資家の参加を募る。それが先物のマーケット。
基本的には、生産者サイドは将来の価格を決めたいのであり、その価格で売ることが出来ればよい。仮に今決めた6ヶ月後の価格よりも実際に6ヶ月経過したときの価格が上昇していれば、6ヶ月前に売りの約束をしていたら損をしたことになるかもしれないが、生産者は生産コストに見合った販売価格が約束されたのだからそれでいいし、「本当はもっと儲かったかもしれない」というのは虫のいい話に過ぎないのだ。
売り方は、買い方がたくさんいるほうが都合がいいわけだ。